氏神(うじがみ)さま 神気が満ちるとき 川越市のおかやす学(岡安学)です。 今年に入って、直感がはたらきました。 なぜか氏神(うじがみ)さまへお参りしようと思いました。 以前、わたしは、地域の氏子会の会計をしていたので、なじみのある神社です。 氏神さまのことを、産土神(うぶすながみ)と言ったりします。 自分の生まれた地域で祀(まつ)られている神社の神さまのことです。 実は、わたしの地域の氏神さまは、埼玉県の指定文化財で、歴史があり、それなりに有名な神社なのです。 が、どういうわけか、参拝に来る人が少ないのです。 本殿、拝殿も、数年前に、埼玉県や川越市の補助金や奉賛金などで、億単位のお金をかけて、漆や彩色を塗り直し、綺麗になりました。 ところが、なぜか、参拝者が少ないのです。 実は、わたしは、普段から、感じていたのです。 この神社の、空間が、神気に満ちていないことを。 気が流れていない。 空気が重いのです。 それには、理由があります。 常駐する神主がいない、のです。 日頃から、拝殿を開くことなく、開かずの間です。 長年、神事をしていないのです。 無人のお寺が廃(すた)れていくのも同じです。 そこのご本尊に向かって、毎日お勤めしていないから、廃寺になるのです。 人が住まなくなった空き家も、家そのものが朽ちていきます。 一時期は、改修工事にあたって、この氏子神社をもっと活性化しようとする動きもありました。 最初は、若い女性の宮司に常駐してもらったのです。 その方は、一生懸命に拝殿を毎日開いて、清掃をしたり、神事をしたり、頑張っていました。 ところが、半年後には、原因不明のうつ病になってしまいました。 その後、別の若い男性宮司が後任で来たのですが、やはりその方もうつ状態になり、結局、一年間で、二人とも、その神社から去って行きました。 後で聞いたのですが、二人とも、その後、神職までも辞めてしまったそうです。 わたしが感じていた気の澱(よど)み。 この陰気を毎日受けていると、気を病んでしまうだろうと、思われました。 どうもわたしには、その神社の、土地そのものに、哀しい因縁があるような気がしてなりません。 わたしは、若い頃、鎌倉や谷中を散策すると、いつも体調不良に襲われました。 肉体を強化することで、今は、そういうことはなくなりました。 この氏神さまへお参りに行くときは、暗くなってからは行かないようにしています。 日中の、日の差す、明るい時間帯にしています。 時折、10分くらい、社殿を、鳥居のあたりから、離れて、じっと見つめています。 社殿から、突然吹いた風が、わたしの身体をあおります。 とても力強い神さまが気難しそうに鎮座しておられます。 関連