差別された体験から 労働力ではなくパートナー 川越市のおかやす学(岡安学)です。 以前、ファーストフードのハンバーガーをテイクアウトしたとき、中身を開けてショックを受けました。 バンズの中身がハンバーガーだけしか挟んでなかったのです。 ソースも、レタスもありませんでした。 肉とバンズだけでした。 それが、若い頃、留学先で、差別を受けたトラウマを思い起こしてしまいました。 ロンドンで、お金が無くて、バナナばかりを買って食べて、お腹を満たしていました。 ちょっとした贅沢で、ケンタッキーでハンバーガーを単品で注文したら、白人の女性から、明らかに見下された態度を取られて、やはりテイクアウトだったのですが、バンズの中身は、無造作に挟まれてあったフライドチキンだけでした。 カラード(有色人種)ゆえの差別は、日本にいてはわからない辛い体験です。 先日、NHKスペシャルで、ベトナムから来た技能実習生の実態を見ました。 わたしは、このような社会問題をテーマにした番組やドキュメンタリー番組こそ、NHKがもっと制作するべきものだと思っています。 お笑い芸人やエンターテインメントの番組など、民放でも見られるたぐいの番組を、NHKに受信料を払ってまで、見たいと正直思いません。 ベトナムから来た技能実習生が、残業代のない長時間労働や低賃金で働かせられている実態を涙ながらに訴えていました。 自分たちは、家畜扱いされていると言って、涙を流していました。 世界の人材の魅力度ランキングで、日本は、年々、その順位を落としていて、同じアジア圏内でも、台湾や中国、韓国よりも下回る39位です。 アメリカの人身売買をめぐる報告書でも、日本の技能実習制度が、強制労働や虐待の問題として、指摘されているのです。 日本の技能実習制度は、国際社会で、人権侵害だと、はっきりと批判されているのです。 ベトナム人技能実習生が、実習先の日本人経営者から、身体的暴力を振るわれている動画も、ベトナムのSNSで拡散されています。 同じアジア人として、やりきれない思いを抱きます。 過日、近所で、深夜、アジア系の人たちが、路上で、激しく口論している声が聞こえてきました。 コロナ禍で、仕事を失い、闇の世界へ引きずり込まれる実習生もいます。 日本に憧れて、信頼して、日本の文化に親しんでいた実習生たちが、日本に失望して、心に深い傷を負って、祖国へ帰って行きます。 そんな日本が国際社会の一員だと胸を張って言えるのでしょうか。 雇用主は肝に銘じるべきです。 技能実習生は、単なる労働力ではない。 未来の日本の、国際社会での位置づけに貢献してくれる大事な外交パートナーなのだ、と。 何度も言いますが、国際感覚は、語学力では育ちません。 人権感覚なのです。 多様な人種や文化を認めることができる人権感覚が育っていなければ、国際人として、活躍できないのです。 どのような国の人も、わたしたちも、自国を一歩出れば、誰もが外国人です。 ウクライナ支援が報道される陰で、身近で泣いている外国人はいませんか。 関連